『ボン・ボヤージュ 〜家族旅行は大暴走〜』美容整形外科医の父・トム(ジョゼ・ガルシア)。精神科医の母・ジュリア(カロリーヌ・ヴィニョ)。反抗期真っ盛りの9歳の娘リゾン(ジョゼフィーヌ・キャリーズ)、アニメ大好きの7歳の息子ノエ(スティラノ・ルカイエ)。そして、4人家族のドライブ旅行にサプライズ参加したおじいちゃんのベン(アンドレ・デュソリエ)。夏休みを楽しく過ごすはずが、ブレーキの故障で時速160キロで暴走する新車に閉じ込められることに……出産間近の大きなお腹を抱えて「ネガティブな思考はよくないわ」と家族をなだめながらも、自分自身がぶっちぎれるジュリア。これで最期と、自分の失態を打ち明け始めるベン。しわ取りの治療をした患者からひどい顔に豹変してしまったと電話で受けておろおろするトム。暴走中の車の中で、会話はすさまじくも歯切れのよいテンポで進んでいく。アクション映画の緊迫感と、コメディ映画の笑い。見終わった後のすっきり感は、ハリウッド映画とはひと味違うフランスの香りがする。夏休み、どこへ出かける予定がない人も、涼しい映画館の中で思い切り笑って、日頃の疲れを吹き飛ばして。 (Mika Tanaka)監督:ニコラ・ブナム出演:ジョゼ・ガルシア、アンドレ・デュソリエ、カロリーヌ・ヴィニョ2016年/92分À fond de Nicolas Benamou avec José Garcia, André Dussollier, Caroline Vigneaux; 2016, 92 mn
『ボン・ボヤージュ 〜家族旅行は大暴走〜』 À fond