『世界にひとつの金メダル』 Jappeloup1984年のロサンゼルスオリンピック。1988年のソウルオリンピック。映画は、この2つのオリンピックに挑戦した馬術選手・ピエール・デュランという実在の人物をモデルにつくられた。弁護士としてのキャリアを捨て、ピエール(ギョーム・カネ)は、一度はあきらめた馬術への道を再スタートする。彼がパートナーに選んだのは、ジャップルーという気性が激しい馬。欠点だらけのジャップルーは誰からも期待されず、ジャップルー自身も人間嫌いだ。そんな若馬に秘められた類い稀な才能を見抜き、ピエールはジャップルーとともにオリンピックを目指す。映画の魅力は、オリンピック選手を支える周囲の人たちとの交流が丁寧に描かれているところ。父セルジュ(ダニエル・オートゥイユ)、かつての馬術仲間であり妻となったナディア(マリナ・ハンズ)、馬への愛情に溢れる若き厩務員のラファエル(ルー・ドゥ・ラージュ)……こんな周囲の人々の忍耐と努力の積み重ねがあったからこそ、ピエールの金メダルを手にすることができたのだろう。男女の差に左右されない競技であり、動物が挑戦できる唯一の競技でもある、馬術。2020年の東京オリンピックまであと3年。馬術選手や馬たちは、どんなドラマを届けてくれるだろう。 (Mika Tanaka)監督:クリスチャン•デュゲイ出演:ギョーム•カネ、マリナ•ハンズ、ダニエル•オートゥイユ、ドナルド•サザーランド2013年/フランス•カナダ/130分
『世界にひとつの金メダル』 Jappeloup