ノワールムーティエ島(Île de Noirmoutier)。ブルターニュ地方の言葉で、「黒い修道院」という意味を持つこの島は、冬にはミモザが咲くことから、「ミモザの島」とも呼ばれている。しかし、美しいノワールムーティエ島で繰り広げられる人間模様は、決して島の景色のように美しいものではなかった。主人公・アントワン(ローラン・ラフィット)は、40歳になって初めて、ノワールムーティエ島で溺死した母の死の真相を究明しようと動き出す。母の死に口を固く閉ざす祖母と父。はじめは気後れしていたが、徐々に兄を理解する妹のアガット(メラニー・ロラン)。離婚し、孤独の中を歩くアントワンは次第に絆を取り戻す。父と向き合い、自分の娘と歩み寄り、新しいパートナーと支え合おうと、少しずつ前進していく。