『ディーパンの闘い』 Dheepan内戦下スリランカで兵士として闘ってきたディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)は、難民としてフランスへ渡ることに。妻のヤリニ(カレアスワリ・スリニバサン)も、娘のイラヤル(カラウタヤニ・ヴィナシタンビ)も、実は出会ったばかりの赤の他人だ。3人は、生きるためにパリ郊外の団地の一室で偽の家族を装って暮らす。闘いの日々から離れ、団地の管理人として静かに生きようとするディーパンだが、忘れかけたささやかな幸せを手にしかけたとき、新たな抗争が彼らの前に立ちはだかる……本年度カンヌ映画祭のパルム・ドールに輝いたこの作品がとらえたのは、寛容な精神ゆえ、多くの移民が住み、多くの問題を抱えるフランスの等身大の姿だ。主人公ディーパンを演じたアントニーターサン・ジェスターサンは、実際にスリランカ内戦の兵士だった。また、ヤリニ役のカレアスワリ・スリニバサン、イラヤル役のカラウタヤニ・ヴィナシタンビも、映画の出演は本作が初となる。「家族」とは何か?血のつながりがあればそれが家族なのか?ひとつ屋根の下に住んでいればそれで家族と言えるのか?この映画は、そんな疑問を私たちに投げかけてくる。(Mika Tanaka)監督:ジャック・オディアール出演:アントニーターサン・ジェスターサン、カレワスワリ・スリニバサン、ヴァンサン・ロティエ、カラウタヤ二・ヴィナシタンビ2015年/フランス語・タミル語/115分
『ディーパンの闘い』 Dheepan