『カフェ・ド・フロール』1969年と現代という40年の年月を隔て、パリとモントリオールにて交互に繰り広げられるふたつの愛の物語が最後には見事に融合し、観る者に衝撃と感動を与える作品。異なる時代、異なる場所で交互に描かれる本作を繋ぐのは、マシュー・ハーバートの名曲「カフェ・ド・フロール」だ。1960年代のパリ。美容師のジャクリーヌは、ダウン症の息子ローランを女手ひとつで育てている。現代のモントリオール。40代でDJとして成功しているアントワーヌはふたりの娘と恋人ローズ、両親に囲まれ暮らしている。一方で別れた元妻キャロルは、離婚の傷が癒えていなかった。そして彼女は度々みる幻覚の存在に心を捕らわれていく。対照的にすら見える二組の時代、風景がシンクロし、劇中にはりめぐらされた複線が終盤にはひとつの物語に収束していく。母子の愛情、運命の恋、どちらも無垢で純粋な愛情に胸打たれる。この愛が起こした奇跡を体感して欲しい。(半田麻夕)監督:ジャン=マルク・ヴァレ出演:ヴァネッサ・パラディ、ケヴィン・パラン、エレーヌ・フローラン、エヴリーヌ・プロシュ、マラン・ゲリエ2011年/カナダ・フランス/120分/英語・フランス語/R15+Café de Flore de Jean-Marc Vallée avec Vanessa Paradis, Kevin Parent, Hélène Florent; Canada, France, anglais, français, 120 mn, R15+
『カフェ・ド・フロール』Café de Flore