『ある過去の行方』第84回アカデミー賞外国語映画賞、ベルリン国際映画祭金熊賞など世界中の映画祭で90冠以上を受賞した「別離」のアスガー・ファルハディ監督が、初めてイラン以外の外国を舞台に描いた意欲作。アメリカを始め世界中で公開され、フランスでは、「別離」を上回る大ヒットを記録した。舞台はフランス・パリ郊外。フランス人の妻と別れて4年。今はテヘランに住むアーマドが、正式な離婚協議のために、4年ぶりに自宅へ戻ってくるが、妻のマリー=アンヌにはすでに新しい恋人がおり、娘たちと新たな暮らしを始めていた。しかし、娘のリュシーから告げられたある衝撃的な告白により、妻と恋人、その家族が背負う過去と、明かされなかった真実が次々と浮かび上がっていく…。憎しみの裏には愛があり、拒絶の影に思慕がにじむ。それぞれにやり場のない感情を抱えた、人々の心の奥を丹念に、繊細に映し出している。(Tomohiro Mibu)監督:アスガー・ファルハディ出演:ベルニス・ベジョ、タハール・ラヒム、アリ・モッサファ2013年/フランス・イタリア/130分/フランス語・ペルシャ語Le Passé d’Asghar Farhadi avec Bérénice Bejo, Tahar Rahim, Ali Mosaffa; 2013, France Italie, français, farsi, 130 mn
『ある過去の行方』Le Passé