東京で上映されるフランス語圏映画Les films en français à Tokyo
投稿日 2018年1月31日
最後に更新されたのは 2021年4月19日
Ciné Switch Ginza 03-3561-0707
 
上映中
 
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Crédits : © 2020 ZAZI FILMSCHAPKA FILMSFRANCE 2 CINEMAMARVELOUS PRODUCTIONS

MISS ミス・フランスになりたい!』
 フランスの、とある小学校。黒板の前で、9歳の子供たちが自分の将来の夢を語っている。おもちゃの修理屋、スターかパン屋さん、サッカー選手、ボクサー、目は生き生きと輝いている。「私は大統領になります」と宣言した少女の後で、アレックスが言う。「僕の夢はミス・フランスになることです」。その直後、「バカじゃない?」と教室中で嘲笑が沸き起こる。
 時は過ぎ、大人になったアレックス(アレクサンドル・ヴェテール)はパリの小さなアパートでひとくせもふたくせもある住民たちと共同生活を送っている。ボクシングジムで働いているが、生活は楽ではなく、下宿代にも事欠く毎日だ。あるとき、彼は小学校の同級生エリアス(クエンティン・フォーレ)と職場で再会する。エリアスが自分の夢を叶えてボクサーになったことを知り、アレックスは自分がかつて心の奥底にしまい込んだ夢を思い起こす……男性でありながら、女性らしさに惹かれ、ミス・フランスを目指すアレックス。「完璧と普通の距離は、ほんの数ミリ」と厳しい言葉を候補者たちに投げかける、ディレクターのアマンダ(パスカル・アルビロ)。「他人に自分の価値を決めさせるな!」と応援する下宿屋の主人ヨランダ(イザベル・ナンティ)。「最後まで頑張って!私も負けない」と爽やかなライバル宣言をする、パカ(ステフィ・セルマ)。彼女たちの芯の強さに本当の女性らしさが垣間見える。しかし、そんな「らしさ」を超越してしまうところにこの映画の魅力はある。コンテストに応募するとき、アレックスが真っ先に協力を求めるドラァグクイーンのローラ(ティボール・モンタレンベール)も、アレックスの精神面の鍛錬に力を貸すボクサーのエリアスも、映画にはなくてはならない存在だ。多様性の中で人と人とが支え合う感じが、嫌味なくさりげなく表現されているところが、とても素敵。(Mika Tanaka)
 
監督:ルーベン・アウヴェス
出演:アレクサンドル・ヴェテール、イザベル・ナンティ、パスカル・アルビロ、ステフィ・セルマ
2020年/107分
 
À l’écran
Miss de Ruben Alves avec Alex Wetter , Isabelle Nanty , Pascale Arbillot; 2020, France, 107 min
 
 

 
Shimotakaido Cinéma 03-3328-1008
 
4月17日(土)〜23日(金)10:00
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Crédits : © Lilies Films.

『燃ゆる女の肖像』
 ときは18世紀。フランス革命が始まる少し前のことだろうか。小舟で島に向かうひとりの女性がいる。彼女の名はマリアンヌ(ノエミ・メルラン)。大事に抱えるカンバスが海に落ちると、何の迷いもなく飛び込み、自力で泳いでカンバスを取り戻す。男たちに囲まれる彼女の顔は、その中の誰よりも雄々しい……たどりついたブルターニュの孤島の崖を登ると、伯爵夫人(ヴァレルア・ゴリノ)の館がある。マリアンヌは夫人からひとつの仕事を任せられているのだ。
 この時代、「女性である」ということがどんな意味を持っていたのか、映画は雄弁に物語る。画家として生きるマリアンヌの毅然とした姿にメッセージを託すかのように、カメラは彼女の表情を余すことなくとらえる。誠実な人柄も、戸惑う仕草も。しかし実は、マリアンヌの視線の先に存在にあるエロイーズ(アデル・エネル)こそ、炎のように燃えたぎる情熱を秘めた女性の象徴だ。浜辺を思い切り走ることすらかなわない毎日、拒絶することでしか自分の意志を伝えられない悲しさ。エロイーズは時代に翻弄される非力な女性のように見えながら、その芯の強さはマリアンヌ以上かもしれない。映画に登場するのはほとんどが女性。この時代に人格を認められることのなかった女性たちだ。しかし、彼女たちは確かに存在していて、歴史の表舞台に立つことはなくても、確実に何かを動かしてきた。焚き火を囲んで地元の女性たちが合唱する”Jeune Fille en Feu”を聞いていると、とてつもなく大きく神秘的な力に心が揺さぶられる。ほかに流れる音楽はほとんどないが、ヴィヴァルディの「夏」が効果的に使われる。マリアンヌが自分の好きな曲と語りながら鍵盤を叩くシーンがとても印象的。(Mika Tanaka)
 
監督:セリーヌ・シアマ
出演:アデル・エネル、ノエミ・メルラン
2019年/122分/PG12
 
Du 10 au 16 avril à 14h55, du 17 au 23 avril à 10h
 
La fille en feu de Céline Sciamma avec Adèle Haenel, Noémie Merlant; 2019, 122 min, PG 12

4月17日(土)〜23日(金)15:00

『パリのどこかで、あなたと』

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