『ルー、パリで生まれた猫』クレム(キャプシーヌ・サンソン=ファブレス)はパリのアパルトマンに両親と住んでいる。あるとき、屋根裏をのぞくと、母猫とはぐれた子猫たちがお腹をすかせていた。中の1匹を引き取ったクレムは、その子をルーと名づける。生後2ヶ月の赤ちゃん猫は、好奇心いっぱい。パリの街を散策しながらすくすくと成長する。夏がやってくると、ルーはクレムたちと一緒にヴォージュ山脈にある別荘で過ごすことに。豊かな自然と野生動物たちとの出会いは、ルーにとって刺激に溢れていた。バカンスからパリに戻ると両親の離婚を知らされるクレム。空いた心の穴を埋めるかのように、ルーはクレムに寄り添う。が、クレムを追い抜く勢いで成長するルーは、自分の人生をみつける……ルーを演じたのは、4匹のキジトラ猫。猫たちの習性を理解する動物トレーナーのもと、ギヨーム・メダチェフスキ監督は彼らの仕草の繊細な部分に至るまでを撮影した。(彼はマスクを着用し、自身の猫アレルギーとコロナ禍をマスクで乗り越えたそう)。言葉や表情ではなく、仕草と行動で物語をつむぐ動物たちの名演が見事。スピルバーグ監督へのオマージュと思われるシーンではクスリと笑ってしまう。人間同士の演技にも注目を。森に住む魔女のような佇まいのマドレーヌ(コリンヌ・マシエロ)と都会っ子のクレムとの交流にほのぼのした気持ちになる。(Mika Tanaka)監督: ギヨーム・メダチェフスキ動物トレーナー:ミュリエル・ベック ほか出演:キャプシーヌ・サンソン=ファブレス、コリンヌ・マシエロ動物たち:ルー(キジトラ猫)、カリーヌ (白猫)、フリョ(ナポリタン・マスティフ犬)2023年/83分/フランス・スイスMon chat et moi, la grande aventure de Rroû de Guillaume Maidatchevsky d’après Maurice Genevoix avec Capucine Sainson-Fabresse, Corinne Masiero; 2023, France, 83 min
『ルー、パリで生まれた猫』 Mon chat et moi, la grande aventure de Rroû