『軽蔑 60周年4Kレストア版』「僕のこと、どう思う?」「車に乗ってから考えるわ」降り注ぐ太陽の光、真っ青な海。美しい景色を舞台に繰り広げられるのは、ある夫婦の間に起こる悲劇だ。作家のポール(ミシェル・ピッコリ)は、映画監督のフリッツ・ラング(本人)から、映画の脚本の修正を任される。最愛の妻である女優のカミーユ(ブリジット・バルドー)のために仕事を受けるポール。しかし、愛し合っていると信じていたカミーユの態度がある日突然様変わりする。撮影のため訪れたカプリ島で彼らを待ち受けるものは……豪華な俳優陣の出演も話題になったジャン=リュック・ゴダールの代表作の1つ。2023年カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された4Kレストア版は、色彩や照明のずれなどが修復され、ゴダールの鮮烈な世界が忠実に再現されている。かつてゴダールに夢中になった世代とゴダールを初めて見る世代が同じ映画館に集ったとき、そこにはどんな空気が流れるのだろうか。時代を経てなお輝きを放つゴダールの魅力と映画の可能性が見えてくるような気がする。(Mika Tanaka)監督:ジャン=リュック・ゴダール 原作:アルベルト・モラヴィア出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、フリッツ・ラング1963年/104分/フランスLe mépris version restaurée de Jean-Luc Godard avec Brigitte Bardot, Jack Valance, Michel Piccoli, Fritz Lang; 1963, France, 104 min
『軽蔑 60周年4Kレストア版』 Le mépris