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『アニエスV.によるジェーンB』 Jane B. par Agnès V.
Jane B. par Agnès V.
Jane B. par Agnès V.

『アニエスV.によるジェーンB』 デジタルレストア 日本語字幕新訳版
 
女性らしき人が歩いている。ジーンズにスニーカー、無造作に羽織るジャケット。時代のアイコンとなった”その人”は、ビッグ・ベンを背に1人で歩く。気づくとビッグ・ベンは姿を消し、代わって目に飛び込むのは、美しい曲線のエッフェル塔だ。甘美な音楽と共に、その人は歩く。黙々と歩く。そしてバッグの中身をすべて出して見せてくれる、とても気さくなその人は、カメラに向かってこう答える。”Même si on déballe tout, on ne dévoile pas grand chose”( すべてを見せたところで、すべてが明らかになるわけではないの)と。
40歳を迎えたジェーン・バーキンが、自分を語り、家族を語り、愛を語る。それをカメラにおさめるのは、アニエス・ヴァルダ。ドキュメンタリーという大きな枠の中で、ジェーンはさまざまな役を演じる。退屈を持て余すミューズ、迷宮で糸を繰るアリアドネ、カラミティ・ジェーンやジャンヌ・ダルク……犯罪映画の妖婦にもなれば、メロドラマのヒロインにもなる。多くの子供を抱え戸惑う貧家の主婦にもなれる。レオタードを着て大好きなマリリン・モンローのように歌うこともある。大胆で、奔放で、儚くて、はにかみ屋で……相反するものが内在するジェーンの感性を的確に、そして優しく受け止めるアニエスの感性。2つの感性が絡み合い、確かな絆となる。それは決して私たちの心をとらえてはなさない。今はもうこの世に存在しないアニエスとジェーン。この2人にむしょうに会いたい。(Mika Tanaka)
 
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジェーン・バーキン、ジャン=ピエール・レオー、ラウラ・ベティ、フィリップ・レオタール、アラン・スーション、セルジュ・ゲンズブール、シャルロット・ゲンズブール、マチュー・ドゥミ
1988年/フランス/99分/DCP&Blu-ray
 
Jane B. par Agnès V. d’Agnès Varda avec Jane Birkin, Jean-Pierre Léaud, Philippe Léotard, Alain Souchon, Serge Gainsbourg, Charlotte Gainsbourg; 1988, France, 99 min
 
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