アルフォンス・ミュシャ。アール・ヌーヴォーの寵児として活躍したこの人を語るとき、覚えておきたい2つの年がある。1895年、そして1910年だ。1895年の1月1日、パリの街角に貼り出されたサラ・ベルナール主演の舞台『ジスモンダ』のポスターは、多くの人の心をつかんだ。ポスターを大変気に入ったサラは、ミュシャと6年間の契約を結ぶ。マルチ・アーティスト誕生の瞬間だ。1910年は、ミュシャが祖国であるチェコに戻った年。祖国のために生きようとする彼の決意が数々の展示から伝わる。ミュシャの故郷であるチェコ共和国モラヴィアに住む医師、チマル博士とその家族によるコレクションは、ミュシャの作品の魅力だけでなく、ミュシャという人そのものの魅力を教えてくれる。素描に描かれる少年や少女の愛らしさ、水彩や油彩の色彩の美しさに心が踊る。ミュシャ自身の写真やミュシャの娘ヤロスラヴァの写真もあれば、彼がフリーメイソンのチェコスロヴァキア支部の立ち上げに尽力したことを知ることができる展示。ミュシャの心に溢れる”愛”は、冬の寒さでちぢこまった心をきっと和らげてくれるはず。学芸員によるギャラリー・トークや、ミュージアム・コンサートもあわせてぜひ。(Mika Tanaka)会場:そごう美術館(横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6階)会期:2024年11月23日(土・祝) ~ 2025年1月5日(日)開館時間:10:00~20:00 (入館は閉館30分前まで)12月31日(火)、1月1日(水・祝)は18:00閉館。※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更の可能性あり休館日:会期中無休入館料(税込):一般:1,400円/大学生・高校生:1,200円/中学生以下:無料※障がい者手帳提示の場合は、付添者1名を含め無料問い合わせ:045-465-5515
『ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者』
投稿日 2024年11月29日
最後に更新されたのは 2024年12月2日