フラン•パルレ Franc-Parler
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クレマン・ヴァン・デン・ベルグ&エマニュエル・ベルコ、『雪の学級(邦題:ニコラ)』出演俳優
投稿日 2000年2月1日
最後に更新されたのは 2023年5月25日
雪の学級
 
『雪の学級』(邦題『ニコラ』:1998年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞)は『なまいきシャルロット』と『小さな泥棒』に続く、不遇な子供時代をテーマとしたクロード・ミレール監督の3本目の映画。ニコラ(クレマン・ヴァン・デン・ベルグ)は自殺傾向のある父親をもった超過保護な子供で、悪夢の中に逃避している。雪の学級(通常授業を続けながら行うウィンタースポーツ活動)の間もなお黙りこくっている不幸な少年に女教師(エマニュエル・ベルコ)は同情するが、少年はその恐ろしい想像世界にクラスのガキ大将ホドカン(ロクマン・ナルカカン)を引きずり込む。混乱と危険が交錯する中で、現実はフィクションを超えるのだろうか。監督はわざと無名の俳優たちを起用している。そのうちの二人に感想を聞いてみた。
 
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フラン・パルレ:他の映画やテレビドラマにも出たことあるの?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:これが6本目。でも7本撮ったんだよ。
 
フラン・パルレ:ご両親はどう思ってらっしゃるのかな。君が俳優をしてること。演技のことは?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:喜んでるよ。こういうことが大好きだから。でも僕の演技はどう思ってるのか全然わからない。
 
フラン・パルレ:『雪の学級』を観たときの反応は?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:カンヌで観て、すごくいい映画だって言ってくれたよ。面白かったって。
 
フラン・パルレ:自分ではこの仕事を続けていこうと思っているの?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:うん。当分はね。バカロレアが終わったら主任技師の勉強をすると思うけど。
 
フラン・パルレ:フランス映画祭横浜のパンフレットには法律の勉強がしたいと書いてあるけれど・・・
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:ああそう。それってすごく古いんじゃない。
 
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フラン・パルレ:どうしてこの仕事を始めたのですか。
エマニュエル・ベルコ:小さい頃から芸能界の仕事がしたかったんです。特にこの仕事が、というわけじゃありませんけど。まずダンスから始めて、それがきっかけで演劇へ、映画へと進みました。『雪の学級』の前には3本の映画に出ています。一本はジャン=フランソワ・リシェの『現況』1995年(日本未公開)で、もう一本はママ・ケイタの『ラガヅィ』1991年(日本未公開)、それからミシェル・ドヴィルの『追跡』1996年(日本未公開)です。タヴェルニエの『今日から始まる』もやりましたし、最近ではルルーシュとも仕事をしました。
 
フラン・パルレ:この映画や登場人物について考えさせられたかな?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:父親との関係とか、子供時代の問題とかね。
 
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フラン・パルレ:学校の友達とはどう?俳優をしているので特にどうこうということはあるかな?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:小さいときはしょっちゅういじめられたけど、今は大丈夫。みんな慣れているから何も言わないよ。
 
フラン・パルレ:撮影中とくに印象に残ったのはいつですか。どんな時気に入りましたか。
エマニュエル・ベルコ:撮影はとてもうまくいって、スタッフも俳優たちも本当に和気藹々の雰囲気で最高でした。こんなことってそうそうあるものじゃありません。終始ご機嫌だったので、いつが一番とは言えません。ほんとによく笑いました。
 
フラン・パルレ:クロード・ミレールは一つ心配事があったと言っていましたね。雪がなかなか降らなかったので。
エマニュエル・ベルコ:撮影は2回に分けて行いました。11月と1月です。1月には雪の中のシーンが予定されていました。雪が一面に積もっていなければならないのに、全然ないんです。だから室内シーンを撮って、それから人工雪を使いました。これには時間がかかりました。何トンもの人工雪を屋根から窓の外に降らせたんです。クロード・ミレールにとってこれは大問題でした。ある日大雪が降りました。そこで必要なシーンが全部撮れたんです。雪の中を歩くところとか、スキーから帰るところなど。
 
フラン・パルレ:学校はどう?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:ほとんど行けなかったこともある。挽回しようとしたけど、もう少しで落第するところだったよ。合格したけど、ぎりぎりだったんだ。でも合格したよ。
 
フラン・パルレ:小学校の先生になりたいと思いますか。
エマニュエル・ベルコ:いいえちっとも。私には教育の才能なんて全然ありませんし、第一自分がそんなことをしているところを想像できないんです。それに忍耐力もないし。
 
フラン・パルレ:クロード・ミレールの監督はどうでしたか。
エマニュエル・ベルコ:彼はとても控えめで、影の薄い人です。撮影の前には、少なくとも私の場合には、ほとんど指示はありませんでした。稽古もほんの少しだけ。カメラも何度も回したりしません。最初の撮影のときは、俳優に思うようにやらせて、その後で直します。でもそれがとても精密なんです。もちろん監督はしてるんですけど、それがとても繊細で、デリケートなんです。これはとてもうまくいきます。彼は争いが大嫌いで、決して怒ったりしません。少なくとも俳優に対してはね。いつでもとてもデリケートな物言いをして、他人の前で大声を出したりしません。俳優に何か言わねばならないときは近づいてから言います。彼は俳優をとても大切にしてくれる人です。私たちにとってはとてもありがたいことです。
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:制作中に一度だけ怒ったことがあったね。ビデオが動かなかったんだ。監督が怒鳴ったのを見たのはそのときだけだよ。
 
フラン・パルレ:君が演じた少年をどう思う?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:問題をたくさん抱えているし、ついてないやつだと思う。
 
フラン・パルレ:映画と同じ年齢で、クラスの誰かが『雪の学級』と同じような目にあっていたら、君はどんな態度をとったと思う?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:僕は意地悪な態度はとらないと思うけど、近づいていくこともないと思う。
エマニュエル・ベルコ:どうして?不親切ね。
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:どうしてかわからないけど、でもこういうやつは、自分で原因を作っていることもあるんだ。そいつの問題なら、どうしようもないよ・・・場合によりけりだね。彼の場合は特に父親のせいだったけど。
 
フラン・パルレ:あなたは監督もなさっていますね。カメラのこちら側と向こう側にいるのとでは何が違ってくるのでしょう。
エマニュエル・ベルコ:何もかも違ってきます。全然違います。私は演戯するほうが好きですね。そのほうが居心地がいいですから。俳優というのはとっても贅沢な身分なんです。プレッシャーがないと言ってしまえば、それは嘘になりますね。緊張したり、監督の期待に応えなければといった気持ちがありますから。でも、それだけではなくて、とっても華やかですし、みんなちやほやと気を使ってくれますから。それに引きかえ監督はといえば、まあ華やかではありますが、面倒なことがとても多いですし、不安感も強いんですよ。私はマゾヒストではありませんから演じるほうがどうしても多くなりますね。監督はつらいことが多いですから。
 
フラン・パルレ:ご両親は仕事のことではどんなアドバイスをしてくれるの?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:何にも。僕が口を出さないでって言ったから。だって僕にとってこれは別の生活なんだ。親に口出ししてもらいたくないよ。親もすごくよくわかってくれたし。うちの親は僕のシナリオも読まないんだ。
 
フラン・パルレ:というとまるっきり自由にさせてくれるの?
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:ううん。たとえば学校のことなんかはいつもうるさいけど。でもそれが終わったら完全に自由なんだよ。
 
2000年2月
インタヴュー:エリック・プリュウ
翻訳:大沢信子
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