ドビュッシーと歩くパリ
中井正子著
アルテスパブリッシング
価格:本体2200円+税
ISBN978-4-903951-61-4
フランスに生まれ、人生の大半をフランスで過ごした音楽家、ドビュッシー。本書は、ドビュッシーの暮らしたパリの街角をたどり、彼の人生や音楽を振り返るガイドブックである。
パリ郊外の生家から始まり、少年時代から晩年までの彼の足取りを追い、彼の愛したパリの街並や、長年通った当時のパリ音楽院の歴史、彼の周辺の人々のことなどを紹介していく。写真家のフィリップ・ドラゼーによるパリの魅力に溢れた美しい写真が数多く掲載されており、眺めて楽しい本となっている。また、著者であるピアニスト、中井正子の演奏によるCDが付属しており、実際にドビュッシーの名作の数々を聴きながら、彼の人生に思いを馳せることができる。
ドビュッシーの魅力、そしてパリの魅力を様々な角度から体験することができる一冊である。
シャンソンの風景
三木原浩史著
彩流社
価格:2500円+税
ISBN978-4-7791-1801-2
シャンソンの名曲の数々を取り上げ、その音楽や歌詞の魅力を綴るエッセイ集。「風景」を眺めるように、「音楽」に耳を傾ける、という姿勢で、歌の持つ世界を巧みな文章で描き出す。
登場するのは、セリーヌ・ディオン、シルヴィ・ヴァルタン、エディット・ピアフ、サルヴァトーレ・アダモ、ジョルジュ・ブラッサンスなど、日本でもおなじみの歌手たちである。
一曲一曲を丁寧に聴き、歌詞の意味、それを歌う歌手の人生、その歌が生まれた文化的背景などを見ていくことで、その歌の持つ本当の魅力が明らかになっていく。また、本書には、シャンソンの名曲10曲の歌詞のフランス語対訳が付いており、曲の持つ世界をより深く味わうことができるようになっている。
シャンソンの楽しみを新たに教えてくれるエッセーの数々である。