フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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エミー・R・ルッセル、女流ジャズピアニスト
投稿日 2016年9月5日
最後に更新されたのは 2023年5月25日
2016年は、エミー・R・ルッセル・トリオにとって、日本初ツアーを成しとげ、その最新アルバム「Quantum」が、日本のレコード店にお目見えした記念すべき年でもある。このアルバムは、ケベックでの、ジャズ・ベストアルバム・ザ・イヤー “Felix 2015”を受賞。東京のカナダ大使館で、デモ・コンサート開始少し前に、現場で行われた、この注目に値するトリオの創始者のインタビューを、ここにお届けします。
 
© Franc-Parler

フラン•パルレ:我々の為に、インタビューをOKして頂き有難うございます。
早速ですが、ちょっとした質問をしても宜しいですか? 僕の抱くある疑念を晴らして頂ければと思いまして。エミー・R...ということですが、この<R>は何を意味しているのでしょうか?
エミー・R.ルッセル:(笑い)ああ、私の名前の真ん中にある<R>はですね、それは、<Rioux>という意味です。(カナダでは)二つの家族名を保持出来るからなのですよ。でも、便宜上、<Rioux>を短縮しました。だって、<Emie Rioux Roussel Trio>では、少々長すぎますから。といって、<R>の字は、残しておきたかったのです。それは、私にとって、大切なものだからです。母方の苗字ですから、残しておいたのです。このことで、後日、色々面白い質問を受ける様になりました(笑い)。
 
フラン•パルレ:僕は、始め、<R>はリズムの<R>かと思いましたよ。
エミー・R.ルッセル:全然違います(笑い)。
 
フラン•パルレ:珍しいのは、貴女がトリオのリーダーであるということです。ジャズのトリオのリーダーが女性であるということです。こんなトリオが他にもあるのですか?今まで例をみましたか?
エミー・R.ルッセル:もちろん、ありますよ。でも、まだ大多数が、とても男性的な世界であることは確かですね。それでも、今後はますます、ジャズの世界、音楽全般に、女性の存在が増すと思います。私達の住む地域、ケベックを例にとれば、女性が率いているトリオが幾組かあります。ですから、いいことですよ。これからは、女性が前面に出て、活躍し、果敢に挑むことが大切だと思います。
 
© Yvan Couillard

フラン•パルレ:正に貴女はお手本ですね。ところで、貴女のトリオは、2010年に結成されました。その経緯をお聞かせ下さい。
エミー・R.ルッセル:当初は、実をいいますと、私は、まだ、モントリオール大学の学生でした。ジャズ演奏における<インタープリテーション>(基礎教養講座)を学んでいました。そこで、色々な友達にも遭遇し、自作の曲を紹介したいと思っていました。数曲すでに試作し始めてから、こんな風に、練習を開始しました。それから、数か月後に、CDを一つ、「Temps inégal」という最初のアルバムを作りました。その後、二つ目のアルバムは、少し趣向を変えて作制しました。というのは、二作目には、トリオだけではなく、トリオに加えて、弦楽四重奏用にアレンジした数曲も入れたのです。ですから、その時に、この二番目のアルバムから、即ち「Transit」から、チームに少々変動が生じました。ドラムに、ドミニク・クルティエを、ベースに、ニコラ・ベダールを配しました。その時以来、トリオを構成しているのは、この同じ音楽家達で、今日まで続いています。面白いことに、人間として、個人的に知りあえば知り合うほど、音楽的にも更に深まり、スムーズに事が運び、気持ちがいいです。一緒にやっている時には、いつも何か新しい発見があり、とても楽しいです。
 
フラン•パルレ:解かりました。次に、音楽的見地から言えば、貴女がたを結束させているものは何ですか?
エミー・R.ルッセル:音楽的には、まさに、同じものではない、我々個々の影響力ではないでしょうか。即ち、三人とも、ジャズを勉強したとはいえ、影響力の点では、補完しあっているのです。例えば、ドミニックは、ポップやロックミュージックを沢山修業しました。ニコラに関しては、彼は、全く違った音楽活動をし、私は、また、皆とは別のキャリアを積みました。だから、私達の音楽は、私達の持つ器は、個々の持ち味を反映しあっており、結局それら全てが、一種の異なった音をはじき出しているのです。そう、私達各人の影響力が、我々の音楽を通して、お互い補足しあい、融合すらもたらしているのです。
 
フラン•パルレ:貴女は、ご自身の作品のみを演奏なさる決意ですか?
エミー・R.ルッセル:そうです。もちろんです。
 
フラン•パルレ:どうして、他の人の曲を演奏なさらないのですか?
エミー・R.ルッセル:いえ、決してそれを嫌っているわけではありません。単に、人に自分の曲を紹介したい、提供したいという好みからです。そう、極めて個人的なことだといえますね。私達は、度々、ジャズのスタンダード・ナンバーを演奏する機会がありますし、そうすることは、大切なこと、忘れてはいけないことだと思いますよ。それは、ジャズの素材ですから。今も同じです。私は、スタンダード・ナンバーを演奏するよう、リクエストされることがあり、喜んで演奏しています。でも、今回の日本での企画では、オリジナルな曲に絞りたいと思っています。
 
© Yvan Couillard

フラン•パルレ:貴女ご自身は、ピアニストです。貴女のピアノを運んで、世界中を旅行するわけにはいかないと思うのですが……演奏する楽器のタイプはこうあるべきといった基準でもあるのですか?
エミー・R.ルッセル:そうですね、概ね理想としては、グランドピアノを入手するよう心掛けています。音色のレベルからもいいですし、また、音響関連の上から言っても、断然心地よく響きます。機種レベルに於いては、私はブランド名には余りこだわりません。色々優れたブランドのピアノもあれば、どんなブランドに於いても、優れたモデルがあるものです。結局、いつも何か発見があります。ですから、ある場所に到着し、最高に素晴らしいピアノにありつくこともあれば、また、ある場所では、これは稀なことですが、少々酷い楽器に当ることもあるのです。でも、いつも何らかの楽しい方法が見つかって、結局は、いい結果に至るのです。それに、私達の音楽が紡ぎ出すちょっとした特殊性とでもいいましょうか、それは、我々のアコースティック・サウンドに、極く少々エレクトリック・サウンドを融合させるということです。ですから、私は、普段コンサートで、この融合音を紡ぎ出すために、ピアノの他に、フェンダー・ローズ(エレクトリック・ピアノ)か、この響きを持つキーボードを使います。そうすることによって、また、違った音の世界に触れることが来るのです。他方、このピアノを補足するために、ベーシストが、コントラバスとエレクトリック・ベースを演奏します。ですから、この二つの世界(アコースティックとエレクトリック)を奏でることができるのです。
 
フラン•パルレ:貴女は、カナダ、ケベック州で行われる一連の様々な祭典について、よくご存知と思います。そこで、貴女のアドバイスを頂きたいのですが。お薦めの優れたフェスティバルは何ですか?また、フェスティバル間の違いも教えてください。
エミー・R.ルッセル:6月末、7月初めにカナダにお出でになる人には、もし、カナダを横断なさりたいのであれば、数々のフェスティバルをご覧になることができるでしょう。その期間には、沢山のフェスティバルが開かれますから。その間に、大部分の催し物が集中しています。ですから、西カナダから出発して、ケベックまでいらっしゃれば、かなり面白い旅行になりますよ。ご存知のように、モントリオール・国際ジャズフェスティバルは、恐らく最も有名で、世界の中で、最も規模の大きなジャズフェスティバルの一つです。非常に高い質を誇る数々のコンサートがあり、色々な場所で、数多くのコンサートが開かれます。それから、ちょっと個人的な心情を交えて言えば、リムスキー・フェスバルがお勧めです。きっとえこひーきして、言っているかもしれません。私自身がそこに住んでいるからです。でも、実際のところ、それはとても美しいフェスティバルで、小さなフェスティバルの中では、最も偉大で、もっとも人情味あふれたフェスティバルと言われています。質は非常に高いですし、プログラムの組み方に多様性があり、面白いです。そして、本来の道からはみ出ていないのです。リムスキー・ジャズ・フェスティバルでは、あくまでも、ジャズ界、あるいは、それに近い領域に於ける、何か変化に富んだものを発信しようとしています。ですから、とても面白いのです。反対に、それも悪いわけではないのですが、違ったスタイルに走ろうとするフェスティバルもままあります。それも面白く、何かの発見があるかもしれませんが、やはり、私は、ジャズへの正統な道をきっぱりと守るフェスティバルを観るのが、面白いと思いますね。
 
フラン•パルレ:解かりました。それは、カナダ/ケベックに於けることですが、外国で、ご自身をもっと売り込むために、どんな道を考えていらっしゃいますか?
エミー・R.ルッセル:いい仕事を続けることだと思います。仕事が続けられるよう努力することです。そう、それには、目的をいくつか持って、それを熟慮し、夢を持つことです。結局は、その夢に向かって進むということでしょうね。こういった意味で、私達が人生に於てする選択は、私達の目指す目的の影響をうけるのだと思います。ですから、この点において、私は、このトリオのために最善を尽くしたいです。世界中まわって演奏したいです。立ち止まることなく、アルバムを制作し続けて、皆さんに気に入ってもらいたいです。その上、人に感動を与えられたらと思います。ですから、この方向で仕事に励み、可能な限りの成果が得られればと願います。
 
© Yvan Couillard

フラン•パルレ:そうですか。では、最新アルバム「Quantum」を紹介してくださいますか?
エミー・R.ルッセル:「Quantum」は、2015年2月に、ケベックでリリースされました。「Quantum」というタイトルの意味は、「分割できない最小単位」という意味です。私は、これは面白いコンセプトだと思うのです。私達は、一組のトリオ、そう、3つの個からなっています。でも、一緒になると、一つの単位、共有した一つの心を創り出します。一緒にいる時は、我達という単位になるのです。この意味で、私達は、分離できないのです。また、音楽的観点からいっても、アルバム「Quantum」は、アコースティック・ジャズと、R‘nB(リズム アンド ブルース)に代表されるようなある種の影響力とが混ざりあった作品です。そこでは、フェンダー・ローズ(エレクトリック・ピアノ)とエレクトリック・ベ-スとの兼ね合いによって、まさに、アコースチックなスタンダード・ジャズからは少々はみ出す、一種の雰囲気をもたらします。だから、とても面白いのです。私達の肌に染みついて離れないものだと思うのです。それは、ある種の音楽、トリオの中の我々各人が、何度も耳を傾けた、そして、大好きなR’nB(リズム・アンド・ブルース)の音楽なのですから。ですから、その響きを、我々の音楽に混ぜることは、我がトリオにとって、ごく自然のことなのです。
 
フラン•パルレ:最後の質問ですが、貴女は、コンサートの前に、数々のインタビューに応じられる他は、何をして過ごされますか?
エミー・R.ルッセル:コンサート前は、はっきりした厳しいルーティーンはありません。大抵は、サウンド・チェック、音の調整を行います。その後で、ちょっと何かお腹に入れます。でも、コンサート中に、満腹感にならないように、食べ過ぎないようにします。それから、身体をリラックスします。概して、コンサートの間際よりむしろ朝のうちに、少々のウオーミングアップをします。もちろん、ツアー中は、一連のそんなことは、少々無理ですね。ですから、結局、音の調整の間に、少しウオーミングアップをします。さもなければ、コンサートの為に、精神を最大限集中させるために、リラックスすることに努めます。
 
東京、2016年6月29日
インタビュー:エリック・プリュウ
翻訳:井上八汐
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