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La francophonie au Japon

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『リュミエール!』Lumière!
© 2017 - Sorties d’usine productions - Institut Lumiere, Lyon

『リュミエール!』
 
 映画史を語る上で忘れてはならない人物としてまっさきに挙げられるのが、フランスのリュミエール兄弟。映画館に集い、多くの人と感動を分かち合う「映画」は、彼らの発明したシネマトグラフ(cinématographe)という機械があったからこそ。兄のオーギュスト・リュミエールと弟のルイ・リュミエールを筆頭に、映画の撮影に挑む人々は、シネマトグラフを携え、まるで『タンタンの冒険』の主人公タンタンのように、「映写機を回す」ことで、冒険を繰り広げていった。カメラ目線で近づいてくる子供たちがいる。雪合戦に明け暮れる大人たちがいる。よちよち歩きの赤ちゃんがいる。川で競争する馬とカモがいる。楽しさにあふれる映像もあれば、まるでターナーやルノワールの絵画のような映像がある。ジェームズ・キャメロン監督や黒沢明監督の作品のような映像もある。リュミエール兄弟が私たちに届けてくれたのは、単なる機械ではなく、万人の心を豊かにしてくれる第七の芸術(=映画)だった。その映像の美しさに、ヴィム・ヴェンダース監督が、マーティン・スコセッシ監督が、エリア・カザン監督が、そして多くの映画監督たちが感嘆し、敬意を表した。生きるとは何て素晴らしいこと!そして、その素晴らしさを伝えるために「映画」が誕生したのだという事実を、この作品は教えてくれる。19世紀末から20世紀初頭にかけて撮影された当時の映像の数々は、今を生きる私たちにも多くの希望を届けてくれるはず。(Mika Tanaka)
 
監督・脚本・編集・プロデューサー・ナレーション:ティエリー・フレモー
プロデューサー:ベルトラン・タヴェルニエ
音楽:カミーユ・サン=サーンス
日本語版ナレーション:立川志らく
2016年/90分/モノクロ
 
Lumière! de Thierry Frémaux; 2016, monochrome, 90 mn
 
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