土曜日 2004年10月30日
フランスは農業が盛んな国として知られています。フランスのお酒や食文化に関して語らせたら止まらない、という人も多いでしょう。そんなフランスは、各地方によって多様な農業と食文化の顔を持っています。その地方の多様な農業や食文化は、地域の農業者をはじめ、生産・加工・流通・消費に関わる様々な人々によって支えられていることは言うまでもありません。 私は、2002年春にフランス・アルザス地方に留学した際、幸運にも地域で産直(vente directe de produits de la ferme)を営む農家、クライン家にて研修生として2ヵ月間お世話になるという機会に恵まれました。今回は、そこで出会ったフランス農業のローカルな現状を紹介したいと思います。 アルザス地方といえば、風光明媚なワイン街道沿いにて産出されるリースリングやゲヴルツラミネールに代表される白ワイン、豪快な伝統料理であるシュークルートなどが世界的に知られています。そんなアルザスには、ライン川流域からヴォージュ山脈に至るまで、沖積土の広がる肥沃な土壌に恵まれ農業に非常に適した沖積平野、ワイン栽培に適した丘陵、畜産に適した山間地域な